【オーダー制作】写真から木彫りで愛犬くん(ノーリッチテリア)を制作しました!
「木彫りはあなたが生きた証になる」
これは僕がよく言っている言葉なんですけど、
木彫り作品を制作していくたびにこの言葉は正にそうだなと自分自身で実感します。
木彫り作品を作ることで思いを込めたものがカタチになる。
出来上がった作品は今の自分だからこそ彫ることが出来たもので、
過去でも未来でも「今」は彫れないわけです。
これはどんな作品を彫っても言えることなんですけど、
木彫りの可能性は本当に無限で、
生きているものを形にすることで彫り手である僕自身が生きた証になるとどうじに、その生き物自身が生きている、また生きていた証にもなる!
今回完成したのは写真から制作させて頂いた愛犬くん。
ノーリッチテリアという犬種です。
「ウチの子を木彫り作品で作って欲しい」
このお客様の思いって言うのは正に生きていた証を残したいというものだと思うんです。
いつか別れが来ることを知っているからこそ、
大切な家族の一員だと思っているからこそ、
出来る事ならいつまでも一緒にいることが出来るように。
そんなお客様の思いをカタチにするべく、
オーダー制作の依頼を頂いてからお客様と何度もやり取りをさせて頂きながらイメージを共有していきました。
犬もその時々でいろんな表情を見せてくれるわけですが、
我が家の愛犬のこの表情、このしぐさが好き!っていうのってありますよね(*^_^*)
そういうものも考慮しながらポーズも決めていき、
少しずつお客様と理想のデザインを形作っていきました。
デザインが決まれば今度はそれに合わせた木材探し!
手持ちとしてあるたくさんの木の中からこれだと思うものを選ぶわけですが、
今回の愛犬くんに合うものがなかなか見つからず。
探し回ってこれかなと見つけた楠で制作がようやくスタート!
バンドソーで切り取っただけの状態ですが、
なんとなく犬だなっていうのがわかりますね(*^_^*)
少しずつ鑿(のみ)を使って形を彫り出していく中で、怪しい部分が・・・。
この上の画像をじーっと見るとわかるかもしれません。
実は愛犬くんのお鼻の辺りに節みたいなものが出て来てしまったんです(^-^;
彫り進めることでなんとか節が消えてくれたり、
影響しないところに移ってくれたらと思ったのですが・・・。
笑って済ませたいところですが、笑ってる場合じゃないですね(^-^;
お客様と相談した上で、木を変える形での再スタートとなりました~!
今まで彫ってきた時間が~・・・って感じですが、
このまま彫り進めて鼻のところに節を残した作品をお届けするわけにはいきませんからね。
僕自身もイヤだし、何よりお客様が納得できるものをお届けしたいので
迷いなく木を変えるという選択を取らせて頂きました。
再スタート!
木はまた同じ楠。
木の中にある節は超能力でもない限り見えないので、
表面を見て予測するしかないんですよね。
実は最初に彫り始めた木は表面を見たときに何か出てくる予兆はあったんです。
じゃあ辞めといたら良かったのにって思うんですけど、
彫ってみないとわからないという思いもあって、進めた結果、ダメでした(笑)
新しく用意した木はその予兆がなかったのでおそらく大丈夫!
とは言っても木の中なので絶対はないんですけどね。
祈るようにして彫り進めていきました(笑)
少しずつ犬らしさが出てきてますね!(*^_^*)
どこがどこだかわかります?
木彫りは下絵を描くのがすごく大事になるんですけど、
彫りながらいかにイメージ通りに近づけていくかも大事。
お客様の愛犬くんが傍にいるわけじゃないので、
写真と睨めっこしながら彫っていく日々。
奥に写ってるのがお客様の愛犬くん。
写真の角度から見て実際に木彫り作品もそういう風に見えるように。
彫り進めると消える下描きをこんな風に何度も描き直しながら進めていきます!
目も鼻もまだ正確な位置が決められていないので、
下描きも若干大きめ(笑)
ある程度形が決まってくると、雰囲気を確かめるように毛並みも入れ始めました。
まだ全体的に大きめなので毛並みも仮っていう感じ。
こんな風に毛並みを少し入れるだけでも雰囲気出て来ますよね!
それから彫り進めること数十時間。
全体の位置関係がまとまってきたのがこの1枚!
生き物を彫るっていうことは、ただ置物を彫るのとは違うと思ってて、
作品を見たときに命を感じらること。
これは今生きているもの、過去に生きていたものを彫る上で外せないものだと思ってます。
この上の画像を撮ったときにこの愛犬くんを彫っている中で初めてそれを感じることが出来ました(*^_^*)
ここまで来ると毛並みをどんどん入れながら全体を彫り進めていきます。
お客様から頂いた愛犬くんの画像をいろいろ見ながらその子の毛並みの特徴を見つけていきます。
写真によって毛並みの流れ方とかは若干変わったりするので、
微妙なところは感覚的に彫ったりもしますけど、
出来る限り毛並みの流れ方や質感まで再現したい。
そう思いながら何千、何万回という毛並みの線を彫り続けていきました。
いつみても尻尾って可愛い(笑)
可愛いんですけど、
木の目とか彫刻刀の形状とかを考えると彫りやすい方にいつもいつも彫れるわけじゃないんですよね。
三角刀でどんどん毛並みを彫っていける時もあれば、
こんな風に印刀を使って毛並みを彫ることもあります。
印刀で毛並みを彫るってけっこう大変なのわかります?
三角刀だと1回で彫れる線も
印刀で彫ると3回彫る必要があるんです。
この辺りは実際に木彫りをしてる人じゃないと想像しにくいかもしれませんね(^-^;
ひたすら毛並みを入れ続けること数十時間。
だいぶ形が出来て来ました!
ここまで来ればもうすぐにでも仕上げなのかって言うと、
実はここからがまた長い(笑)
いや、長くしてる時は僕なんですけどね(笑)
頂いた写真と木彫り作品をいろんな角度から見比べて、
違う所を修正していく。
ここは彫った方が良いなと思ったところは当然ながら毛並みもしっかり彫ってあるわけですが、
そんなの関係なしに毛並みがなくなるまで彫ることも多かったですね。
このくらい彫ればもう良いかな。
そんな風に何度も思いながら、いやまだまだ彫れる。
そう思って彫り続けてました。
実はすでにお客様と決めていた予算はオーバーしてたんですけど、
あとは僕自身が納得いくまで彫りたかったので、
時間が掛かることを惜しまずに愛犬くんと向き合っていました。
「生きてるみたい」
僕が木彫りで制作している愛犬くんのことを
そんな風に言ってくださったのがこの写真。
目鼻は鉛筆で黒く描き入れただけですが、
それでも生命力を感じられる1枚になってると思います!
彫り終わりを迎えて。
目鼻に色を入れていくことで、更に活き活きとしていきます。
最後に全体にワックスを塗って、すべての工程を終えました。
完成した愛犬くん。
お客様の希望もあって、毛並みをカットしたあとの状態でということで、
ノーリッチテリアにしては毛は短めになってます。
作品が完成したという事は僕とのお別れが迫っている。
お客様のご厚意もあってたっぷりと制作時間を頂いた今回の作品。
それだけ僕の傍に長くいたので僕にとっても愛犬になってしまいました(笑)
でもお客様が待っているのでお別れしないといけません。
お客様への完成報告も兼ねて、
手元にある今、写真をたくさん残しておきたい。
そういう思いで記念撮影しまくりました。
ほんの一部ですが、ここに載せておきますね。
完成作品の画像を見てオーダーしてくださったお客様から「妻も大変満足しています」というお返事を頂き、
僕もホッとしました。
完成してもお客様が納得されないと意味がありませんからね。
ノーリッチテリアは世の中にどのくらいいるのか僕はわかりませんが、
犬としてのノーリッチテリアとわかれば良いっていうものじゃないと思うんです。
お客様は我が家族の一員である愛犬を求めてるわけです。
それ以外であれば、この作品に意味がなくなってしまう。
他の人が見れば「可愛いわんちゃんだね~!」って思って、
それだけでも良いのかもしれませんけど、
オーダーしてくださったお客様にとってはそれだけじゃダメだと思う。
たった一人の家族を木彫りで形にしたい。
その思いをお客様と共有しながら僕自身が今できるすべてのことを出し切って形にした愛犬くん。
お客様の「大満足」の声が何よりも僕は嬉しかったです(*^_^*)
もうすぐお別れですが、お客様のもとで可愛がってもらえることを願ってます(*^_^*)
はじまして… 河内山と申します。
この度 愛犬が亡くなってしまって…。生前から、木の置物にしたい。と話してましたが、亡くなってからでは、木彫りに出来ないのでしょうか⁇
そして、費用は、いくらぐらいかかるのでしょうか⁇
お忙しい中、すみません。
コメントありがとうございます。
愛犬を木彫りで形に残すのは亡くなってからでも写真などから作ることが出来ます。
直接メールさせて頂きましたのでご確認の上、お返事お願いします。